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2−2−4 地方自治体における情報化の動き

 

地方自治体においては、中央省庁における行政情報化推進計画のようなものはないため、各組織で必要に応じて情報化を推進しているのが現状といえる。情報化の推進レベルは中央省庁に比較して遅れている傾向にあると一般的にいわれている。しかし、システムを導入した結果、業務の効率化が行われたとする意見も多い。

 

郵政省郵政研究所情報システム研究所の調べによると、平成4年10月現在において、地方自治体(県市区615団体)のうち、文書管理システム(文書データベース)を導入している自治体は35%である。4分の3の自治体は導入の計画もないが、未導入の自治体のうち72%が必要性を感じているということである。

必要性は感じていても導入が進まない理由としては、予算確保の問題や、標準的な文書管理のルールが整っていないこと、電子化しても電子文書の法的証拠能力がないため、原本との二重管理が生じることなどがあげられている。

一方、システムを導入した効果として最も多くあげられているのが、検索速度の高速化である(81.8%)。検索の高速化は、システムの改善要求として最も多くあげられているポイントでもある。したがって、従来の紙による文書管理において、書類を探すことが最も問題となっていたことがわかる。

しかし、システムを導入したことにより情報の共有化が実現したとする意見は59.5%に過ぎず、約4割は効果があがっていないとしている。これは情報化の進め方に問題があることが考えられる。すなわち、パソコンの単体利用、または課内のみといった狭い範囲内でのネットワーク化、または業務の一部分のみの電子化などがその原因と考えられる。

以下に、都道府県(表2−6)及び、市町村(表2−7)において導入されている文書管理システムの一覧を示すが、情報化の対象は目録管理や統計データの管理など、まだ部分的な文書の電子化にとどまっていると考えられる。

 

 

 

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